ラブライブ!とコラボした神社「神田明神」

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歴史ある江戸総鎮守

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正式名称は神田神社で、神田、日本橋、秋葉原、大手町、丸の内、築地魚市場など、東京都心の108町会の総氏神様です。歴史は古く、神社社伝によれば天平2年(730年)に出雲氏族で大己貴命の子孫・真神田臣(まかんだおみ)により創建されています。承平5年(935年)、平将門の乱で敗死した平将門の首が神社付近の墓に葬られると、嘉元年間(14世紀初頭)に疫病が流行。これが将門の祟りであると人々を恐れさせたため、延慶2年(1309年)、神田神社に神として合祀されました。平将門神に祈願すると勝負に勝つといわれており、戦国時代には太田道灌や北条氏綱といった名立たる武将によって崇敬されたほか、慶長5年(1600年)の関ヶ原の合戦では、徳川家康が戦勝を祈祷。その後、江戸幕府が尊崇する神社となり、江戸城の表鬼門守護の場所にあたる現在の地に幕府が社殿を造営しました。以降、「江戸総鎮守」として、庶民に崇敬を受けるようになります。

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名物「神田祭」

神田明神の祭礼で、京都の祇園祭、大阪の天神祭と並んで日本三大祭りの1つに数えられる「神田祭(かんだまつり)」。徳川家康が関ヶ原の合戦に勝利し、天下統一を果たした9月15日が神田祭の日であったことから、縁起が良いとされ、その後盛大に執り行われることになったといいます。現在は毎年5月に行われており、約1週間にわたる祭の中でも、神幸祭と神輿宮入がメインイベント。神幸祭では、御祭神をのせた鳳輦・神輿が氏子108町会を巡行し、電気街のコントラストが毎年不思議な光景を生み出します。神幸祭の翌日に行われる神輿宮入も神田祭りの見せ場。各町会の神輿が神田明神に向かって巡行する賑やかな行事です。

2015年は、神田明神が現在の地に遷座して400年の記念の年、ということで神田祭も一層盛り上がりを見せました。

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神田明神が舞台になっているアニメ「ラブライブ!」とコラボ

そんな遷座400年の神田祭とコラボレーションしたのがスクールアイドルプロジェクト「ラブライブ!」

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ラブライブ!は、KADOKAWAが発行する「電撃G’s magazine」、アニメ制作会社のサンライズ、音楽会社のランティスによる合同プロジェクトで、スマートフォンアプリやアニメで展開されています。スマートフォンの音楽ゲームアプリ「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」のユーザー数は2015年9月に全世界で2000万人を突破し、CDはオリコン1位を獲得するなど、近年稀にみる大ヒット作品です。テレビアニメとしては2期放送され、劇場版も公開されました。ラブライブのテレビアニメには、神田明神が登場します。

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登場キャラクターの1人、東條希(とうじょう のぞみ)が神田明神の巫女バイトをしているほか、メンバーがアイドルになるための走り込み場所として神田明神裏の男坂を活用。そうした関わりもあってコラボレーションが実現しました。コラボにあたっては特設ページ(http://kandamatsurixlovelive.jp/)が作られるという気合いの入りぶり。限定グッズが販売されたり、ラブライブ!とのコラボ神輿が宮入するなど、こうした異例のコラボはメディアでも話題になりました。

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鷲宮神社×らき☆すたの前例

そのほか、アニメと神社のコラボとして有名なのが「鷲宮神社」と「らき☆すた」です。埼玉県にある鷲宮神社も関東最古といわれる由緒正しい神社。らき☆すたは2004年より連載されているマンガ作品で、2007年にアニメ化されました。町の商工会がオリジナルグッズを制作するなど、アニメを活かした地域振興を行い、鷲宮神社への参拝客も急上昇。ちなみにらき☆すたは、ファンが作品の舞台を訪れる“聖地巡礼”ブームのはしりとされているそうです。

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アニメと神社の関係を考える

 

現代日本を代表する文化であるアニメと日本の伝統文化である神社が組むことで、多くのアニメファンが文字通り“聖地”である神社に訪れるようになります。普段は神社にまったく興味のないような若者も足を運ぶようになるわけで、アニメが若者と神道をつなぐ架け橋になっているといえるでしょう。ただ一方で、アニメ目当ての若者が多くなることで神社の雰囲気を乱すといった声が一般参拝客からあるのも事実です。これに関しては、参拝におけるマナー、周りへの気配りを意識することが大切だと考えます。今後もアニメと神社、そして、アニメファンと神社関係者・参拝客がよりよい関係を築いていくことによって、神道文化、神社の末永い繁栄につながるのではないでしょうか。

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神田明神 公式サイト(http://www.kandamyoujin.or.jp/sp/)

〒101-0021 東京都千代田区外神田2-16-2
TEL:03-3254-0753
FAX:03-3255-8

シルエット作成者:Minto31

参考リンク
https://ja.wikipedia.org
http://www.kanko-chiyoda.jp/tabid/806/Default.aspx
http://www.dydo-matsuri.com/list/kanda/







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