水鏡天満宮

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「水鏡(すいきょう)天満宮」は福岡の繁華街、天神の名の由来となった神社。西鉄福岡駅、地下鉄天神駅から明治通りを中洲方向へ歩いてわずか数分、ビル街に朱塗りの社殿が見えてきます。水鏡天満宮は学問の神さま。菅原道真を祀り、そのご神徳は学業成就、合格祈願。殊に、受験生の味方です。

 

ビルの谷間に朱色に彩られた社殿が佇んで、都心とは思えない神聖な気が流れています。境内は奥行きが深く、とても静か。草木が色濃く茂って、池には鯉が泳いでいます。そこが都心であることを忘れてしまいそう。

 

この宮の縁起によると、菅原道真が京より大宰府に左遷され、博多に上陸した折、四十川(今泉、薬院新川)の清流を水鏡にして己の姿を映したことに因み、その地に社殿を建て水鏡天神、また、容見(すがたみ)天神とも呼んだとします。水鏡「すいきょう」とは、水がものの姿を映すように、行いを正しくして、鏡の如く人の模範になるという意。のちの慶長の頃、初代福岡藩主、黒田長政が福岡城の鬼門除けとして今泉より現在地に移築させたとします。

 

平安の頃、右大臣、菅原道真は藤原時平らの陰謀により大宰府に左遷され、翌々年に大宰府で生涯を終えます。その後、都では不吉なことが続き、道真公の祟りとされます。そこで、道真公の霊を鎮めるために、宮を興し、道真公を祀るようになります。菅原家系は学業の家として名が高く、道真公は優れた学者、文人であり、政治にも手腕を発揮しました。そのため道真公は学問の神さまとして信仰を集めるようになります。

 

南側の鳥居に掲げられた「天満宮」の文字は、福岡出身の昭和の首相、広田弘毅の小学生の時の揮毫とされます。殊に、福岡の学問の神さまに相応しい逸話。

 

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水鏡天満宮の学業成就の御守は500円、受験生必携です。小さなランドセルの御守は800円、受験合格の祈願も行っています。そして、合格祈願の願いがかなった時には、お礼参りを忘れずに。

 

水鏡天満宮

祭神 菅原道真

福岡県福岡市中央区天神1-15-4

アクセス 西鉄福岡駅、地下鉄天神駅 徒歩5

 

 


あらき 獏(ばく)

情報誌の編集者を経て、現在は文化、歴史系フリーライター。旧神社宮司家の家系であることで、神社縁起と地域伝承の考察や、パワースポットの研究をライフワークとしています。

プロフィール

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