《学業成就》全国に12,000社の天満宮は菅原道真を祀る学問の神さま。
学問の神さまの話。
(太宰府天満宮)
菅原道真にまつわる学問の神、天満宮。ご神徳は学業成就、合格祈願。
平安前期の昌泰4年(901年)、「菅原道真」は右大臣として政権の中枢にありましたが、藤原時平らの陰謀により大宰府に左遷され、翌々年には大宰府でその生涯を終えます。その後、都では落雷や疫病の蔓延など不吉な出来事が相つぎ、道真公の祟りであろうと噂されます。そのため道真公の霊を鎮めるために、道真公を祀る天満(天神)宮が興されます。
菅原家系は学業の家として名声が高く、道真公は優れた学者、文人であり、政治にも手腕を発揮しました。そのため道真公を祀る天満宮は、学問の神さまとして世の信仰を集めるようになります。受験生が天満宮へ参拝して筆(鉛筆)を買うと、受験合格のご利益があるとされます。殊に受験生の味方。
最も有名な学問の神さま太宰府天満宮は、全国の天満宮の総本宮。
福岡県太宰府市に鎮座する「太宰府(だざいふ)天満宮」は、京都の「北野天満宮」とともに全国の天満宮の総本宮とされます。太宰府天満宮の縁起では、大宰府で亡くなった道真公の葬送の牛車が動かなくなった地に道真公を埋葬し、その後、道真公の霊を鎮めるために、延喜19年(919年)、道真公の墓所に社殿が建立され、太宰府天満宮が創祀されています。
本殿の横にはご神木の「飛梅」があります。樹齢1000年を超える白梅で、道真公を慕って都から飛んできたといわれます。その逸話にちなみ、境内には6000本もの梅が植えられ、シーズンには観梅で賑わいます。梅園には茶店が並び、梅の花の下で梅ヶ枝餅をいただくのが、早春の太宰府の風物詩となっています。
また、太宰府駅から天満宮へ延びる参道はとても賑やか。土産物店や梅ヶ枝餅を焼く店が立並び、受験生ファミリーや修学旅行の生徒たちで賑わっています。また、2005年、天満宮の傍に歴史博物館「九州国立博物館」が開館して、見学の際には天満宮にお参りするのが習わしとなっています。
全国に鎮座する学問の神さま、天満宮。なかでも受験生に人気の宮をご紹介。
全国の天満宮は12,000社ともいわれ、前述の「太宰府天満宮」と京都の「北野天満宮」を宗祀社として全国に勧請されています。なかでも、日本三大天神とされる大阪府の「大阪天満宮」、山口県防府市の「防府天満宮」は人気の天満宮です。
首都圏では関東三大天神とされる、東京都文京区の湯島天神こと「湯島天満宮」、東の宰府と呼ばれる江東区の「亀戸天神社」、東日本最古の天満宮とされる国立市の「谷保(やぼ)天満宮」が有名です。また、源頼朝が鎌倉幕府開府にあたり、鬼門除けとして建立した鎌倉の「荏柄(えがら)天神社」も人気です。
学問の神さま、天満宮の学業成就、受験合格のお守りは受験生必携。
多くの天満宮では神札(おふだ)、学業成就、合格祈願の御守、学業成就の鉛筆、合格祈願の絵馬などを頒布しています。また、学業成就や受験合格の祈願を行っています。そして、受験合格の願いがかなった時には、お礼参りを忘れずに。
太宰府天満宮
福岡県太宰府市宰府4-7-1
アクセス 西鉄太宰府線「太宰府駅」徒歩5分
公式サイト http://www.dazaifutenmangu.or.jp/
北野天満宮
京都府京都市上京区御前通今出川上る馬喰町
アクセス 京都市営バス「北野天満宮前」徒歩すぐ
京福電車北野線「北野白梅町駅」徒歩5分
公式サイト http://kitanotenmangu.or.jp/
大阪天満宮
大阪府大阪市北区天神橋2-1-8
アクセス 地下鉄谷町線、堺筋線「南森町駅」徒歩すぐ
JR東西線「大阪天満宮駅」徒歩すぐ
公式サイト http://www.tenjinsan.com/
防府天満宮
山口県防府市松崎町14-1
アクセス JR山陽本線「防府駅」徒歩15分、バス5分
公式サイト http://www.hofutenmangu.or.jp/
湯島天満宮(湯島天神)
東京都文京区湯島3-30-1
アクセス 東京メトロ千代田線「湯島駅」徒歩すぐ
公式サイト http://www.yushimatenjin.or.jp/pc/index.htm
亀戸天神社
東京都江東区亀戸3-6-1
アクセス JR総武線「亀戸駅」徒歩15分
JR総武線、地下鉄半蔵門線「錦糸町駅」徒歩15分
公式サイト http://kameidotenjin.or.jp/
谷保(やぼ)天満宮
東京都国立市谷保5209
アクセス JR南武線「谷保駅」徒歩5分
公式サイト http://www.yabotenmangu.or.jp/index.html
荏柄(えがら)天神社
神奈川県鎌倉市二階堂74
アクセス JR「鎌倉駅」より京急バス「天神前」徒歩すぐ
公式サイト http://www1.kamakuranet.ne.jp/egara/
あらき 獏(ばく)
情報誌の編集者を経て、現在は文化、歴史系フリーライター。旧神社宮司家の家系であることで、神社縁起と地域伝承の考察や、パワースポットの研究をライフワークとしています。