《年末企画》神社のお札やお守りの扱いはご存知ですか?
神社のお札やお守りの扱いはご存知ですか?
お札やお守りの話。
私たちは神社に参拝して、お札やお守りをいただいて帰ります。
お札やお守りは自身や家族を守っていただき、お願いが成就するように、神さまの力をいただくもの。
ちゃんとご利益(ごりやく)がいただけるように、大切に丁寧に扱いましょう。
神さまの分霊、お札をお祀りする作法とお守りの扱いかた。
お札(おふだ、お神札)は神さまの分霊。神棚にお祀りして、家や家族を見守っていただきます。
神棚がない場合には、高く清潔な場所でお札を南向きか東向きしてお祀りします。
玄関など人が出入りするような場所はさけ、居間などの壁や柱にお祀りするのがよいでしょう。
タンスの上をきれいに片づけてお札を置いてもかまいません。敬意をもって扱うことが大切なのです。
また、複数のお札をお祀りしても問題はありません。ただし、神さまにはお祀りする順序があります。
並べてお祀りする場合は、中央に国の氏神である伊勢神宮、向かって右に氏神さま、左にその他の崇敬神社のお札をお祀りします。
重ねてお祀りする場合は上から伊勢神宮、氏神さま、その他の崇敬神社の順とします。
お守りは自身が身に付けて、常に神さまのご加護をいただき、お願いが成就するように力をいただくもの。
初詣での心願成就のお守り、親に貰った無病息災のお守り、友人がくれた縁結びのお守りと、ついついお守りがたまりがち。
でも、お守りも複数持ったからといってご利益がなくなることはありません。
きちんと整理して、敬意をもって扱うことが大切です。
1年をつつがなく過ごせて、お願いが成就したら、
お礼参りでお札やお守りをお返しします。
お札やお守りは一般的には1年でお返しするのがよいとされます。
初詣で授与されたお礼やお守りは、翌年の初詣で納めるのがよいでしょう。
それは、お札やお守りのご利益が無くなるからではありません。
神さまへの感謝の気持ちで、年に1回は新しくするといった解釈でしょうか。
思い入れがあるお守りなどは、ずっと持っていてもかまいません。
お返しするお札やお守りは、半紙など白い紙で包み、神社の「古札納所」へ納めます。
お札やお守りを授与された神社ではなく、別の神社へ納めても差し支えありません。
お正月の破魔矢など、縁起物も同じ扱いです。
神社に納められたお札やお守りは、浄火によって「お焚き上げ」がなされます。
お正月の15日に行われる左義長(さぎちょう)や、どんど焼といった神事で、松飾りや注連縄といっしょに焼納することも多いようです。
神棚から古いお札をさげる際は、手や口を清め、神棚に手を合わせて一年間のご加護にお礼を述べ、お札をさげて半紙などで包みます。
また、合格祈願や安産祈願など、ご祈願を受けた際のお札やお守りは心願成就までお祀りして、
成就のあかつきにその神社へお礼参りをして、お札やお守りを納めましょう。
また、初宮参りや七五三などの祈願でのお札やお守り、縁起物も1年を目安としますが、
これらはお子様の成長を祈念するものであり、お子様が大きくなるまで大切にされてもかまいません。
そして、お寺でいただいたお札やお守りは、お寺へ納めてください。神社とお寺では魂ぬきなどの作法が異なります。
私たちはお札やお守りを神さまの分霊として力をいただき、そのご加護で守っていただきます。
本来、お守りとは、そこに込められた祈りの心と、それをきっかけに生まれる自身の強い思いが、災難を避け、効力を発揮するものなのでしょう。
また、初詣でいただくお札を大切に祀ることで、一年をつつがなく過ごそうと思う自身の決意が、すこやかな一年に繋がるものなのでしょう。
それが、自身の中の神さまの存在というものでしょうか。
情報誌の編集者を経て、現在は文化、歴史系フリーライター。神社宮司家の家系であることで、神社縁起と地域伝承の考察や、パワースポットの研究をライフワークとしています。